Second † Adventure
ここはサンドリアの木工ギルド。エルヴァーンの国の職人の中で彼は一人異彩を放っていた。
そのガルカの職人はアゼル。
「ウリシル婆さん、今日もいい家具ができたよ。見てくれ」
婆さんと呼ばれたエルヴァーンの老婆は木工ギルドではちょっと有名な人であった。
「おやおや、また売れない家具ばかり作ってしょうがないねぇ、親方にどやされてもしらないよ」
全く咎める様子もなく彼女はそう言った。
「オレ、弓の次に家具作るのが好きなんだ_______ 」
彼は自分の生い立ちを知らない、いや思い出せないといったほうがいいかもしれない。
ただ老婆が彼を育ててくれた、その事実だけが彼の知る全てだ。
彼女は彼を木工職人として育て、弓の使い方を教えた。
そして彼の強弓は後にその名を王国に知らしめるほどとなる。
「婆さん、ちょっとゲルスパで伐採してくるよ」
「そうかい、今日はローズも行ってるんじゃないかねぇ、これを持っておいき」
彼女は2本のアクアムスルムを彼に手渡した。
「ありがとう、婆さん!ローズにも渡しておくよ」
彼の去っていく姿を見送った後。
彼女がとても悲しそうな顔をしていたのは誰が気づいたであろうか。
「そう、、もうすぐね、、先生。私はあの子を笑っておくりだせるでしょうか?」
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彼は最近不思議な夢を見るようになった。
白い装束を纏った、エルヴァーンの夢を。
エルヴァーンの青年はこう語りかけてくる。
「私は すべてを許し すべてを育み 君を照らし続けるだろう。さあ、旅立つのだ」
不思議な夢だった、会ったこともない人なのにとても懐かしい気持ちになるのは何故だろう。
その夢を見るようになってからというもの、仕事も手につかない状態が続いていた。
_______________どんな運命の日が舞い降りるのだろうか___
by edith_workaholic | 2006-11-19 01:21 | ff11